【第755号】外国人とどう向き合えばよいか(続編)

こんにちは!
あなたの「ええもん」を探して育てる専門家
「ええもん発掘・育成パートナー」
ハラユキヒコです

前号で外国人との向き合い方について
取り上げました

実は、外国人との向き合い方に関する
問題意識で
前号には書ききれなかったことがあります

今回は「続編」として
前号に書ききれなかったことを書いてみます

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最近、人手不足の問題が
より一層顕在化してきたこともあり、
人手不足や採用、人材育成などを
テーマとした研修やセミナーのお声がけを
いただく機会が増えてきました

そのようなセミナー等に参加する
経営者の方々からよく受けるご質問やご相談に

「外国人労働者」

に関するお悩みが多くあります

なかなか一筋縄ではいかない
難問の1つです

それだけに
賛否両論が入り混じり、
いろいろな結論が考えられるのですが

今回は私なりの考えを
整理しながら考えてみようと思います

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最近、国は外国人労働者を
積極的に増やそうとする動きをしています

2019年に創設された「特定技能制度」は
介護・建設・宿泊・外食業などの限定業種で
外国人労働者の受け入れを目的とした制度です

介護を含む「特定技能1号(12業種)」では
最大で通算5年間という期間の限定がありますが、
介護を含まない「特定技能2号(11業種)」では
一定要件を満たせば日本に永住することも可能です

現状では約20万人の外国人労働者が
特定技能制度の対象者として
日本で仕事をしていますが、

4年後の2028年までに
約4倍の80万人まで受け入れるという方針を
日本政府は示しています

外国人労働者を雇用した場合の助成金を呼び水にして
これらの雇用を促す社労士や行政書士などの
専門家も少なくありません

こうした背景もあり、
外国人労働者の受け入れ・採用を
前向きに検討している経営者の方々が多くおられ、
相談を受ける機会が増えているのかもしれません

このテーマでの相談を受けたとき、私は

「あまり積極的にはお勧めしません」

と答えるようにしています

一昔前は、多くの企業が
Low-Labour(低賃金の労働力)として
東南アジア中心とした地域からの労働者を
受け入れてきました

少し言葉が乱暴になりますが
こうした「コマ使い的」な感覚で
今の人材不足を乗り切ろうとしても
実際はうまくいきません

経済評論家の中には
低賃金の外国人労働者を雇うことに起因して
経済成長や企業の賃上げが円滑に進まない懸念を
指摘する人もいます

また、
外国人労働者を受け入れた会社の
経営者の多くが仰っているのは

「思った以上に言葉のハンデが大きい」

ことです

確かに、特定技能制度で労働する外国人には
日常生活で身近な話題の文章を読んで理解する(N4レベル)
程度の日本語能力が求められます

しかし、実際の仕事の現場では
専門用語が飛び交い、
それを使わないことには仕事にならないことも
多々あります

ミズノに入社して間もない頃、
私は上役の通訳業務を担った時期がありました

その頃の経験から言えば
外国語のコミュニケーション・ハンデは
やっぱり大きいです!

「慣れれば大丈夫!」と言う人もいますが、
仕事上で重要かつ細かなニュアンスまでは
なかなか伝わらずに苦労しました…

知り合いの経営コンサルタントから聞いた話ですが、

建設業・A社では
工事現場での人員を確保するために
外国人労働者を起用し、
日本語変換ソフトなども導入するなどの
工夫をしたものの、
専門用語や独特の習慣・段取りを補足説明することに
想定以上の時間を要して
かえって時間生産性がダウンしてしまったそうです

教える側の日本人労働者にも
相当ストレスが溜まってしまい、
職場の雰囲気も怪しくなってしまいました

このため、
A社では発注者にご迷惑がかかるリスクを回避するために
いまは外国人労働者の受け入れをしていないそうです

では、どうすればよいか?

総務省統計局の資料をみると
労働力の供給先である「労働力人口」の中で
完全失業者は約185万人います
(2024年4月30日発表資料より)

この人たちは
「働く意思がありながら、仕事にありつけていない」
人たちです

言葉が覚束ない外国人を
特定技能制度という運用が難しい制度を使って
無理くり海外から80万人も雇うくらいなら

働く意欲がある185万人の日本人を対象に
働く場所や環境を提供することで
人手不足を解消することを優先するほうが
経営者・労働者ともにメリットがあるように思います

一方、
完全失業者の人たちに対しては
厳しい言葉かもしれませんが、

仕事を選り好みしている
場合ではありません!!!

そのようなわがままな人に限って
なかなか労働需給のマッチングが実現しない…

これが人手不足の実態ではないかと
思うのです

人手不足問題の解決策として
外国人労働者を雇うことを考える前に

まずは
足らない労働力を補う設備投資やIT投資を考える
あるいは
既存の人材に対する教育投資を考える

この2つの方法で
ダメなら
日本人の新規・中途採用を考える

その際は
完全失業者の状態にいる日本人を
優先して対象とする

この部分でも
お伝えしたいことは山ほどありますが、
今回は省略します

それでもダメなら
「奥の手」で外国人労働者の雇用を
検討する
という順位付けを
私はお勧めしています

これはあくまで
私の個人的な意見であり

絶対的なモノではありませんし、
押し付けようとも思いません

あなたはこの問題を
どのように考えますか?

今日も長いブログ記事を最後まで
読んでいただき
ありがとうございました

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