【第801号】経済対策の根っこにあるものとは?

こんにちは!
あなたの「ええもん」を探して育てる専門家
「ええもん発掘・育成パートナー」
ハラユキヒコです

今年も1月半ばを過ぎ、
そろそろ来季に向けた春季改善交渉
いわゆる「春闘」の季節が
近づいてきました

政財界では
「賃上げ」を声高に叫んでいますが
大企業と中小企業との間では
かなり温度差があります

大手メガバンク等では
初任給を10万円引き上げて
40万円にするなどという
羽振りの良い話がある一方

地方にある小さな企業では
これ以上の人件費アップがあると
もう経営体力的に限界だ…
という悲痛な声が上がっています

実際、私が地元商工会の
会員事業者様たちと話をしていると
資材コスト高云々よりも
人件費の負担増が重ーーーーーく
のしかかってくるというご意見を
多々お聞きします

政府は2020年代に
最低賃金を1,500円(1時間あたり)に
引き上げる目標値を掲げています

昨年秋に改定された最低賃金は
全国平均で1,055円

政府の目標を実現するために
残されている期間はあと5年

数量経済学者・高橋洋一先生の
試算によると、
5年間で1,055円から1,500円に
引き上げるためには
単純平均で5年連続約7.4%の
賃上げが必要、とのこと

一方で過去40年間の
賃上げ率の平均は約2.6%

これまでの平均値の3倍の率で
賃上げを5年連続して実施して
初めて達成できる
非現実的に高い目標です

単発的に1回だけ
7.4%の賃上げをするのではなく
5回続けて7.4%引き上げるという
離れ業が求められるわけです

その一方、
やれ「103万円の壁」とか
「106万円の壁」とか
「178万円に引き上げる」とかいう
議論も起き始めています

仮に所得税がかからない
年収額123万円になり、
時間給が1,500円になったとしても
非正規社員の「働き控え」の問題は
解消しません

あくまで勝手な推測ですが、
時間給1,500円で
週あたり24時間の勤務
(週3日×8時間/日)としたら
単純計算で8月頃に
123万円に到達してしまいます

これでは
働き手がますますいなくなり、
人手不足対策は一層深刻になります

これを178万円に引き上げると
なんとかギリギリ12月まで
働くことが可能です

さらに諸外国並みに
200万円まで引き上げると
時間換算で約85時間、
賃金額で約12.7万円の余裕が生まれます

そう考えると
今やるべきことは
単純に時間給をとてつもないペースで
引き上げるのではなく、

働きたい人が
働きたい時間だけ
安心して働くことができるように
国の制度を整備することではないかと
思っています

(写真はイメージです)

働き手は、
本当は働きたいけど
これ以上働くと所得税がかかるから働けない

雇う側も、
働いてほしいけど
これ以上働かせてしまうと
シフトに大きく影響する…

なんと次元の低い議論でしょうか?

賃上げ原資となる金額は
働き手が働いて稼いだ利益です

働き手がいなければ
この原資は生み出されません

到底、毎年の賃上げなど
夢のまた夢です

単純に数字遊びをするのではなく
働きたい人が満足に働ける
雇用機会をしっかり確保することが
国の経済対策の根っこになるように
私には思えます

国の政策に関わる人たちには
 働く方も Happy
 雇う方も Happy
 世の中も Happy という
「三方よし」のグランドデザイン

描いてほしいものです

あなたならどう考えますか?
ちょっとお堅い、難しい話だったでしょうか?

でも、自分ごととして
丁寧に考えてみてくださいね

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございました

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