【第779号】生産性向上に必要なことは何?

こんにちは!
あなたの「ええもん」を探して育てる専門家
「ええもん発掘・育成パートナー」
ハラユキヒコです

今回は
ある会社で起きたことをもとに
読者のあなたに考えていただきたい
問題提起をします

先日、ある会社でこんな議論が
持ち上がったそうです

この会社の社員・Aさんは
得意先に対する営業企画や提案を考える
クリエーター業務がメインの
仕事をしています

Aさんはさまざまなところから
情報収集をするために
席にじっと座ることなく
事務所の内外をウロウロとする時間が
多くあるそうです

一方で、
Aさんの周りには
通常の営業事務をやっている社員もいて
Aさんがウロウロしていることを
うっとうしく思っているという
声もちらほら聞こえています

Aさんは
企画・提案業務という性格上
机にじっと座っているだけでは
仕事の生産性が上がらずに
他の場所に移動して
資料作成などの仕事もしています

しかし
周りから見れば
Aさんが本当にちゃんと仕事をしているかを
疑っている人がいるのも事実です

ある日、Aさんは
B部長に呼び出されて
こう諭されました

「Aさんが自分の席ではなく
 他の場所で仕事をしていることに対して
 周りのみんなは贅沢だと思っている。
 だから、資料作成などの仕事は
 きちんと自分の席でやってほしい」

しかし、Aさんは

「お言葉を返すようですが、
 自分の席でじっとしていては
 考えが煮詰まってしまい
 なかなか良いアイデアが出てきません。
 
 場所を変えて仕事をしてみることで
 ふと良いアイデアが浮かんで
 そのまま提案資料を一気に作ってしまえる
 メリットもあることをご理解願えないでしょうか」

とB部長の指示には
従いたくないことを意思表示しました

B部長は

「周りのみんなと同じ条件・環境で
 一定の成果を出してもらうことが私の務めだ。
 Aさんのわがままだけを認めるわけにいかない。」

これを聞いたAさんはヒートアップしてしまい

「仕事の生産性を上げるために工夫したことを
 B部長は潰すおつもりなんですか?

 仮に私が一日中、みんなと同じ仕事をしていて
 机にじっと座ったまま業務をすることで
 あげられるパフォーマンスは
 今の7割くらいにしかならないと思います。
 それでも部長は、私にみんなと同じように
 仕事をしろとおっしゃるのですか?」

と反論をしてしまいました

結果、Aさんは異動願を
B部長に提出しました

B部長はすぐに結論を出すことなく

「しばらく預からせてもらう」

と保留することになったそうです

この話を聞いて感じたのは

客観的にみて
Aさん・Bさんともに
どちららかが一方的に正しく
どちらかが一方的に責められる
ゼロサムの問題ではないように思えます

しかし、最近の流れを考えると

業務生産性を上げるために
仕事内容に合わせて場所や環境を変える
配慮をする会社が増えているのは事実です

特に、健康経営に意識が向いている会社は
そのような傾向が強いように思います

一方で、B部長がおっしゃる
「チームの和を乱してほしくない」という考えも
理解できなくはありません

お互いが気持ちよく働くために
B部長がAさんに注意を促したのも
その一環なのでしょう

ここは賛否両論分かれる
ところなのかもしれませんが

私自身は
周りに合わせて窮屈な環境で
仕事を強制するよりは

それぞれが、それぞれに工夫をして
時間生産性や人的生産性を上げていき
最終的に業績改善につながる方法を
優先したいと思っています

B部長の立場ならば
Aさんがなぜウロウロしながら
仕事をしているのかを
もっとじっくり話を聴き
認めるところは認める姿勢があって良いでしょう

一方、Aさんも
自分の主張を強くいう前に
周りに不快感を与えていることへの
部分謝罪があった方が良かったのかもしれません

B部長が組織全体の生産性を
上げていきたいと考えているならば

Aさんのような企画・提案業務の性質と
他の人たちのようなデスクワークの性質が
根本的に異なることを丁寧に説明し、
仕事の環境を変えることで
生産性を上げる効果があるというメリットを
チームで共有する努力が必要だと思います

生産性向上の取り組みの一環で
いわゆる
Activity Based Working という考え方に対する
研究もたくさんなされており、

実際に事業場内で
さまざまな工夫を取り入れている
企業も増えてきています

なんなら、

この会社に健康経営コンサルをしても
良いくらいなのかもしれません
(ちょっと商売っ気を出してしまいました(笑))

あなたは
この一件について
どんな考えをお持ちになるでしょうか?

今日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました

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