【第776号】「出る杭が潰される」企業風土でいいのか?

こんにちは!
あなたの「ええもん」を探して育てる専門家
「ええもん発掘・育成パートナー」
ハラユキヒコです

今回はちょっと悲しい話です…

先日、診断士仲間のAさんから、こんな話を聞きました。

Aさんは経営コンサルタントとしての専門性を評価されて
ある会社で嘱託職員として働いています

Aさんは私以上に熱いハートの持ち主で、
お客様のお役に立てることなら
できる限りのことをして差し上げたいという
気持ちが強い人です

一方で、勤務先の会社には
「嘱託職員としてやるべきことはここまでです」というような
暗黙の縛りもあるようで、
必要以上のことをすると
少々いぶかしく思う人もいるようです

Aさんが嘱託職員としての雇用契約を
結んだ当時の部門長は
Aさんに対して非常に理解のある人でした

「Aさんが仕事の成果をしっかり出してもらえるならば、
Aさんの思うように進めてもらえればいいですよ」と
温かく激励してもらえたことを
Aさんはとても粋に感じていました

Aさんがあげた成果は、勤務先の会社はもちろん、
取引先の関係者にも影響があり、
Aさんの仕事ぶりに対する信頼は高いものでした

しかし、

今年の春の人事異動で、
寛容な姿勢を示してくださった部門長がいなくなりました

後任部門長のYさんは杓子定規に物事を判断するタイプの人で
Aさんの仕事に対しても、
「お目付役」のように瑣末な指摘をしてくるようになりました

ある日、Aさんは営業担当者のBさんと一緒に
取引先企業の某社に外出しました

その企業は、Aさんの紹介で、
ある業界専門誌の取材を受けることになり、
専門誌の担当者兼ライターであるCさんの取材に
AさんとBさんが立ち会うことになりました

Aさんはかつて、Cさんの専門誌でコラムを執筆したことがあり、
そのご縁でCさんと取材先企業とを橋渡ししたのでした

取材が終わって2週間ほど経った日に、
Aさんは現任の部門長・Yさんに呼び出され、
Cさんの取材に関する経緯を説明するように求められました

AさんはありのままをYさんに説明し、
「Aさんが間に入ってくださったから気持ちよく話せた」という
取引先・Cさんの双方から感想があったことも添えて報告しました

ところが、YさんがAさんに放った一言に
Aさんは驚いてしまいました

「取材の立ち会いは、取材先企業の営業担当であるBさんの仕事。
Aさんが立ち会う必要はなかったのではないですか?
Aさんがそこまで世話をやく必要性が私には理解できません」

Aさんは、取引先にもCさんにも喜んでもらえたことで
何も責められることがないものと思い込んでいたせいか、
自分がそこまでする必要がないと言われたことに
大きなショックを受けました

この一件以外にも、
Aさんに対する小さな批判や不満の声を周囲から聞いていることを
YさんはAさんに伝え、Aさんの目立つ言動を注意しました

Aさんは思いもよらぬYさんの評価にモチベーションを失い、
今まで取引先や同僚・後輩たちのために
自分がやってきたことは何だったのか、
と悔しい思いに駆られました

その後、

Aさんは少し自分自身を見つめ直す時間を作るため
雇用契約の範囲内で与えられている有給休暇を使って
職場と距離をおいて毎日を過ごされています

実は、その一環で私にこのような話をしてくれました

Aさんの話を聞いて、私が思ったのは
「出る杭を潰して、やる気を失わせる企業風土の怖さ」です

ある人から聞いた話ですが、
日本人は「やっかみ・妬み」の民族
欧米人は「尊敬・リスペクト」の民族

きっと、Aさんは仕事ができすぎて、
Yさんをはじめとする周りの人たちから妬まれていたのでしょう

それくらい、
Aさんの成果は本来高く評価されて然るべきだと思います
Cさんの取材以外の細かい批判等は、
少しでもAさんを貶めようとする
さもしい心の成せる技なのでしょう

逆に、

Aさんに注意を発したYさん本人が、Aさんと同じ立場で仕事をしたら
どんなパフォーマンスをするのでしょうか?

確かに、Aさんが必要以上のことをしたことに対して
「あるべき論」を根拠に、
Aさんに注意を促した部門長・Yさんの行動は
理解できなくもありません

しかし、その状態では、レベル100を期待されたら、
MAX100しか結果が出ません

Aさんが良い意味で少しはみ出したことで
レベル100の要求に対し、
成果は105や110だったかもしれません

105や110のパフォーマンスができるはずなのに、
100しか出さなくて良いと考えるYさんのマネジメントを
第三者の私はどうしても納得できない…

あなたがAさんの立場だったら、
Yさんのマネジメントに対して
どんな印象を受けるでしょうか?

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございました

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